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千葉 正裕(チバ マサヒロ)
大学卒業後、大手銀行に入行。本部業務を中心に27年間勤務。
その後、49歳の時に一般上場企業に転籍。14年間で経理部長、取締役、常勤監査役を経験。63歳で役員定年を迎え退任。64歳で株式会社シーオーメディカル常勤監査役に就任。
株式会社シーオーメディカル
化粧品、サプリメント、アパレルの製造・販売からWEBコンサルティングや人材紹介など多岐に渡る事業を展開。
サラリーマンとして長い期間働いたので、役員定年後は悠々自適に暮らそうかなと思っていました。
ですが、家内が(私が)家にいるのが好ましくないということもあり…。それと、自分でもスポーツクラブに行くなど、色々なことを試してみたのですが、どうしても働いていた時の時間の感覚からすると、あまりにも時間を持て余してしまう感じがして、もう少し働いてもいいかなと考え始めました。
サラリーマン生活の中で最初に銀行を選んだのは、お金が経済を動かす社会の「血液」だとすると、銀行は「心臓」のような重要な役割を果たしていると考えたからです。
銀行では調査や審査をはじめとする企業融資に携わり、ある程度のことは経験できました。
審査関連で3年ほど出向した企業では、企業再生にも関与しました。
「ある程度社会的な仕事もできた」と感じる一方で、「物足りない」と感じるところがありました。
転籍した企業で監査役をやっていた時に、監査役協会(日本監査役協会)で異業種の監査役の人たちと会話をする機会がありました。
そこでは新興企業の監査役の方が多くて、「上場する時にこういう苦労をしたんだ」という話を聞いて、「あぁそれいいな」と思いました。
自分が見込んだ会社を上場させることができたら、「これは男冥利に尽きる」と思って、そういう仕事先を探し始めました。
役員退任を目前にした頃、監査役協会で「今度退職することになりました」というような話をしたところ、監査役仲間の方から「次にもしやる気があるんだったら、こういうエージェントがいるから」というお話をいただいたので、すぐに連絡を取って就職活動始めました。
エージェントでは、履歴書と職務経歴書の書き方から指導を受けました。それが役立ったところもあると思いますね。
働き方については、IPO に関与するのであれば、常勤の監査役の役割が大きいと考えたのでそれ以外の選択肢はありませんでした。
書類選考は二十数社。ただ、コロナ禍だったので、実際に直接会って面接をする会社は少なかったです。ほとんどがリモート面接になってしまって、あまりこちらの思いが伝わらなかったところもありました。
就職先が決まるまで11ヶ月くらいかかりました。
当社(シーオーメディカル)は直接面談をしてくれるということで、社長の瀬出井さん、社外監査役の2人と面接。この会社の経営理念「笑顔に貢献」に共感して、当社に就任という運びです。
良かったことは、働いていて楽しいことですね。一時、 IPO が繰り延べ(延期)になる可能性もあったのですが、ここに来てまた盛り返してきたので、私の在任中に恐らく上場できるスケジュールで行けるかなと。
あとはやっぱり「張り合い」ですね。社会とのつながりを維持するためには何らかの仕事を持っていたほうがいいということがすごくよく実感できました。
シニア転職をして悪かったことや苦労はありません。
ただ、ネックになるかもしれないと思ったことは、私の自宅から会社まで、通勤にドア・ツー・ドアで1時間半くらいかかるので、それは少し長いかなと最初は思いましたが、全く問題ないです。
それと、この会社は若い方が多いので、コミュニケーションがきちんと取れるのかなと不安に思ったりはしましたが、その点も問題なくやっています。
私の挑戦は会社を上場させること。そのための課題ってすごくいっぱいあるので、頑張って取り組みたいと思っています。
私は今67歳ですが、政界には70代の方がたくさんいますよね。
経営者にしてみても、今大手企業の会長をやっている銀行時代の同期もいます。
そう考えると、65歳以上って退職するような年齢じゃ全くないと思うんですよ。
ただ、今50代・60代の方って、20代・30代の若者と違って、終身雇用が当たり前の時代で、最初に就職した時「おそらくこの会社に生涯いるんだろうな」という覚悟で飛び込んで働いてこられたと思うんです。だから「発想の転換」みたいなものはやっぱり必要になってくるかもしれません。
それと「資格」は持っておいた方がいいですね。50代・60代の求職案件で必ず聞かれるのは、「どんな資格持ってますか」ということです。私は経理部長をやっていましたが、経理部長としての「経験」はあっても「資格」は持ってなかったんです。転職の時に、やっぱり武器になるのが「資格」です。何らかの「資格」を持っておいた方がいいと思います。
キャリアについては、自分のやりたい仕事や希望する条件の仕事というのは探せばあると思うんです。
だから、もし「働きたい」という意欲があるのであれば、私のようにエージェントを活用したり、あるいはコネクションを使ってチャレンジしてはいかがでしょうか。